「ゆたかな学び」のブログ

アントレプレナーシップについて

2024年03月18日 11:23

(一社)京都知恵産業創造の森 主催の「Founders Story ~十人十色のアントレプレナーシップ~」というイベントで、開会にあたりお話しした内容です。(一応、その頃は、この法人の理事をやってました。)

「アントレプレナーシップ とは何か」という問いに対する、私なりの答えです。 本日のテーマである「アントレプレナーシップ」、日本語に訳すと「起業家精神」が、昨今、大変注目されております。
 それも、会社を起業するために必要な考え方や知識という、限られたスキルではなく、たとえどんな職業に就こうとも、「社会を良い方向に動かしていくため」とか、「自分自身が充実した人生を送るため」に欠かすことのできない、重要なスキルとしてとらえられ始めています。

 本日、ご参加いただいた方の多くは、大学生、高校生です。なので、短い人なら今後1年で、長くても今後5年ぐらいの間には、自分はどういう人生を送っていくのかの最初の分岐点が訪れます。
 その時に備えて、皆さんもアントレプレナーシップを磨き、自分の人生にとって良い判断ができるようになってもらえればと思います。

 さて、このアントレプレナーシップですが、これまでの多くの学習のように「何かをたくさん暗記する」とか「この5つの中から正解を1つ選ぶ」などという方法では身につきません。
「こういうゴールを目指すためには、そもそも解決すべき課題は何なのか」を自分で見つけ出す必要があります。また、答えが2つも3つもある場合もあれば、昨日の正解が、今日は正解ではなくなることもあります。
 こういった問題を解決していくうえで必要な力を身につけていくためには、「何年か前に、同じような体験をした人が、何を考え、どのように行動したか」を知ることは大変重要です。「まさしく生きた教科書」です。
 今日は、そんな皆さんにも参考となる方のお話を、たくさん聞くことができますので、楽しみにしてください。
それから、もう一つ、
(ここで 堀場さんの写真を投影)

この方、どなたでしょう?
ご存知の方いらっしゃいますか?
 京都に本社がある、堀場製作所という会社の創業者で、今から70年以上前に、京都大学の学生でありながら、会社を起業した、日本における「学生ベンチャーの草分け」と呼ばれている、堀場雅夫さんという方です。
 今は、お亡くなりになった堀場さんが、20年ほど前、私におっしゃいました。
「あんたな~、起業家精神、起業家精神というけど、そういう気持ちやスキルを持った人を増やしたいんなら、本人もさることながら、親の意識を変えていかなあかんで。どんな、やんちゃな子でも、20年近く育ててもらった親と、自分の進路のことで、もめたくないわなぁ」

 今日は、親子でご参加の方も何組かいらっしゃいます。ぜひ、今日のお話を聞いての感想を、この後お昼ご飯でも食べながら語り合っていただければと思います。
 また、一人で参加されたかたは、家に帰ってから、今日、こんな話聞いてきたんだけど、「お父さんやお母さんは、どう思う」と話しのネタにしていただければ...
 そして、私も親ですのでこれだけは断言できます。「子供が一生懸命、何かを学び、その学びをもとに決断したことに反対する親など、一人もいません。それは、反対しているのではなく、心配しているのです。」

 すいません。37年間、公務員として同じような仕事ばっかりやってきたお前が、起業家精神とか偉そうに言うな、とお叱りを受けそうなのでこれぐらいにしておきますが、最後に、
アントレプレナーシップを身につけていくうえで、心掛けるべきことが一つあります。
 それは、「世の中の動きに常に敏感であれ」という事です。
この10年間でも、地球温暖化の進行、福島の原発事故、新型コロナウィルスの流行、ロシアのウクライナ侵攻など、予想もしないことが起こり、世の中の仕組みが変わり、こうした社会課題を解決するビジネスがたくさん立ち上がっています。 

 ぜひ、こういう世の中の動きをたくさん知り、そして、こんなことで困っている人がいるのなら、自分は こんな事できないかな という思いを巡らせていただければと思います。
 それでは、2時間という短い時間ではありますが、「生きた教科書」の方々のお話を存分にお楽しみください。